生体維持の中枢こころとカラダをつなぐ視床下部
カリッとサクッとおいしい思考♪
不安や辛さがある時ってカラダにも異変が起きてくるときありますよね!
頭痛、めまい、吐き気………
そこまでいかなくても、なんとなく怠い、カラダが重い…など
その時は凄く辛いです!
しかし、これらのカラダの反応は生命を維持していくためになくてはならないことでもあるんです。
人には「ホメオスタシス」という生体の恒常性があります。
生命の危険にさらされるような状態にならないようにカラダの反応が起こることで行動を制御して元の状態に戻そうとする働きです。
なので不安や辛さでカラダが動かないのは自分の命を守っていることなので決して逃げや怠けではありません!
結論を言うと心身調整方法は、「生体の恒常性を維持する」ようなことをすることです。
今回は、生体を維持するため中枢であり、こころとカラダをつなぐ役割を担っている視床下部について探り、心身の調整方法となる糸口を見つけていきたいと思います。
視床下部の役割
視床下部は、ホメオスタシス(生体の恒常性)を維持するための司令塔的な役割を担っています。
生体の恒常性を乱すようなストレスが外部から加わると、その情報が最終的に視床下部に伝わり、ストレスで傾きかけた恒常性を元に戻そうと自律神経系、内分泌系および感覚・運動神経を介してストレスにより受ける身体の反応を形成します。
この場合のストレスには身体的に加わるストレスの他に、それ自体は生体内部に直接的な影響を与えないが将来的に影響を予見するようなストレスがあり、精神的ストレスがこれにあたります。
メンタル的な視点からみてみると、感情の中枢である扁桃体が快・不快かを判別した情報が視床下部に伝達されます。
視床下部は自律神経系や内分泌系(ホルモン)、感覚・運動神経系をコントロールして生体の恒常性を維持しようとします。
よって、過剰なストレスが加わるとそれだけ視床下部を含めた生体維持のためのシステムが過剰な働きを強いられ、機能不全を起こしてしまう可能性があります。
精神的に過剰なストレスが加わった際、頭痛やめまい、吐き気、カラダの怠さなどが出るのは、自律神経や内分泌系および感覚・運動神経系が過剰に反応したためです。
以上のように視床下部はこころとカラダの反応をつなぐとても重要な部位であり、この視床下部を中心とした生体維持システムにいかに負担をかけないようにするかが心身を調整する糸口になってきます。
視床下部の機能から考える心身の調整方法
まず知っておかねばならないのは生体の恒常性維持のため視床下部はどんなシステムを制御しているかということになります。
黒岩らは以下のように報告しています。
視床下部には多次元的な制御中枢が存在し、
①自律神経制御
②概日リズム(circadian rhythms)制御
③神経内分泌反応制御(ストレス反応)
④情動・記憶・認知制御
⑤感覚閾値・疼痛抑制制御
⑥歩行・運動制御
⑦神経代謝・免疫制御(摂食行動制御、飲水行動制御、深部体温制御、熱エネルギー代謝制御、神経免疫制御、老廃物排出制御)
の 7 大制御軸を調節する。
この7つの制御機能にいかに負担をかけないかを考えていきます。
天秤を平衡に保つような考え
行きすぎたら反対のことをして真ん中に戻そうとする
(働き過ぎたら休むなど)
ちょっとずつ戻すようにするような方法が心身調整のカギとなってきます。
また中枢でコントロールしている視床下部に直接働きかけることはできないのでフィードバックの原理を利用していきます。
フィードバックとは、制御されている器官や現象(行動)が制御する物質をコントロールすることを言います。
例えば、興奮状態(現象)にある場合、視床下部は交感神経を促進させるよう制御しまするので、逆にリラックスするような行動をとることで視床下部に交感神経を抑制させるよう働きかけるようなことです。
この原理を利用して視床下部の7つの制御からより自分で簡単にできることから始められる心身調整方法を考えていきます。
(要所要所で関連記事を載せていますのでもう少し詳しく知りたい方は是非ご参照ください)
自律神経制御
主にヒトが活動的に動く際に促進される交感神経とカラダを休める際に促進される副交感神経のバランスをとることで生体の恒常性が維持されています。
例えば、心身にストレスが加わるとストレスに立ち向かうために交感神経の活動が促進されます。
適度なストレスであればそのストレスが無くなれば、その分カラダを休めようとする生体の恒常性維持に基いて副交感神経の活動が促進され心身状態のバランスをとります。
しかし、過剰なストレスや長期にわたるストレスが続くと交感神経の過活動が抑制されず、中枢の視床下部でコントロールできず、心身状態のバランスが乱れ体調不良を起こすキッカケとなってしまいます。
よって、過度なストレスや不快なストレスを感じたらいかに心身を休めるかがポイントです。
ほんの少しの時間でもいいので「こころとカラダを休める時間」をとることが大事になってきます。
概日リズム制御
概日リズム(サーカディアンリズム)とは、人に刻まれた「1日が24時間の周期」というリズムです。
1日の生活のリズムで重要なのが活動時間と睡眠時間のバランスです。
特に睡眠時間の長さとタイミングが重要なのは周知の通りです。
睡眠不足や就寝時間が不規則になると当然概日リズムも崩れ、コントロール不良となってしまいます。
ストレスがかかってメンタル的に辛いときは本当に寝れない日々が続くし、起床時間も定まらなくなります。
とても辛くて難しい問題です!
自分なりにやってみて出来そうだった調整方法は、
朝の日光浴です。
睡眠の調整は非常に難しいと日々感じています。
まずは寝る時間よりも起きる時間を少しずつ調整するほうが取っ掛かりとしては良かった気がします。
過去の記事にも掲載しておりますが、無理のない決まった朝の時間に日光浴をすることをおススメします。
日光浴と言っても室内の窓際でも十分必要な照度が確保できるので外に出れなくても大丈夫です。
神経内分泌反応制御(ストレス反応)
ストレス反応の内分泌系の制御機能という視点でいうと、視床下部は脳下垂体を経由して副腎皮質からコルチゾールというホルモン分泌を促進します。
コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれておりストレスに立ち向かうための大事な物質です。
しかし、慢性的なストレスにより、コルチゾールが過剰分泌されると免疫力低下など様々な面で心身機能に負担をかけてしまいます。
内分泌系は主に自律神経系とリンクして働いており、交感神経が活性化するとコルチゾールの分泌が盛んになると言われています。
よって自律神経系の調整方法同様、少しずつでもこころとカラダを休める時間をとることがここでも大事になります。
情動・記憶・認知制御
ストレス(不快感情)をなくす思考が持てれば一番いいのですが、
これが一番難しいですね!
なので情動(感情)中枢である扁桃体の過活動を抑制することが重要です。
簡単な方法としては、扁桃体の表情認知機能を利用し、「笑顔をみる」ことがおススメです。過去の記事もありますので是非ご参照ください。
感覚閾値・疼痛抑制制御
痛みの抑制制御からの視点でみると神経伝達物質のオレキシンが活性化することにより痛みが軽減するという報告があります。
このオレキシンは視床下部にあり、睡眠・覚醒、摂食機能や代謝もコントロールしている神経伝達物質なので、最後の摂食や代謝のところで出来る調整方法と同じものになります。
歩行・運動制御
人には意志とは無関係に自動的に歩行を促す「歩行誘発野」が存在します。
視床下部、中脳、小脳にそれぞれあり、この歩行誘発野を刺激することで自動的なリズミカルな歩行が誘発されます。
よって、リズミカルな歩行を繰り返すことで歩行誘発野を刺激し、視床下部の活性化を促せることが期待できます。
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神経代謝・神経免疫制御
(摂食行動制御、飲水行動制御、深部体温制御、熱エネルギー代謝制御、神経免疫制御、老廃物排出制御)
最後は摂食・飲水や排泄、体温調節など代謝や免疫に関わる制御です。
睡眠・覚醒も含めこれらの調節機能はまさに生命維持のために我々が日常的に行っている反応や行動です。
摂食や睡眠・覚醒、エネルギー代謝に関しては、先ほど説明した疼痛抑制機能としても働くオレキシンが注目されています。
簡単にいうとオレキシンが程よく働くことによって規則正しい生活のリズムや食生活の一要因となっています。
特にオレキシンはon-offの切り替えが大事で適度に働くことで睡眠と覚醒や食事のリズム(生活のリズム)を整えてくれます。
自分の生活ペースで出来る規則正しい食生活と適度な水分補給が大事です。
食事やオレキシンに関連する記事もよろしければご参照ください。
また、体温に関しては、睡眠と体温のリズムがリンクしているので生活のリズムを良くするために体温のコントロールも大事です。
寝る3時間前の体温をピークに持っていくようにお腹を温めることをおススメします。
視床下部の7つの制御機能から心身調整方法を考えてきましたが、
結局一般的に言われている
- 「動く」と「休む」のバランスを良くすること
- 規則正しい生活をすること
ということにつながります。
人には生体の恒常性を維持しようとする体質があるため当然といえば当然ということになります。
しかし、声を大にして言いたいのは、
全部やろうとしないことです!
出来ません!
出来そうなことを1個やってみて徐々に広げる感じです。
そして今日は出来なくても違う出来そうなことを明日トライしてみようみたいな感じでいいと思います。
人間に生体の恒常性がある限り「バランスがどちらかに崩れたら逆のことをして(考えて)真ん中に戻そう」とちょっとずつでも意識することの積み重ねが心身の不調から抜け出す糸口になると信じています。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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