こころここにコロコロ

〜こころの知識と実体験を綺麗ごと抜きで照らし合わせてみる〜

やる気だけではなく共感にも関わる前帯状皮質

やる気と共感のつながり

 

 

自分自身を温かい目で見守っていきましょう♪

 

 

人の認知や情動を司る大脳辺縁系の一部である帯状皮質は、やる気や行動意欲を引き出すのに一役買っている脳の部位です。

 

長期的なストレスでメンタルダウンしてしまった時に少しでも行動意欲を高めるにはどうしたら良いのかと考えていたら、巡り巡ってこの前帯状皮質に辿り着きました。

 

この前帯状皮質は様々な脳の部位とネットワークを形成して感情をコントロールしている重要な役割を果たしています。

 

誰かの言葉や気持ちに自分が共感すると、なんとなく「ちょっと自分もやってみようかな」みたいな気持ちになったことありませんか?

 

例え実際に行動できなかったとしても気持ちが少し前を向いたことありませんか?

 

共感するこころと行動意欲を引き起こすやる気は密接にリンクしているように日々感じています。

 

今回はやる気・行動意欲と共感の関係性を前帯状皮質の働きから考えてみたいと思います。

 

共感とは

 

共感とは、他者の感情状態を共有する精神機能です。

 

これまでの多くの研究では、共感は認知的共感情動的共感の2つに分類されています。

 

認知的共感とは、思考的な要素が含まれており、ある程度自分の考えで切り替え可能です。

 

例えば、ある人物がストレスになるような行為を受けている場面に遭遇した場合、その人の心理を理解しようとし共感します。

 

しかしその人物がもともと適切ではない行動をしていたからストレスのかかる行為を受けていると感じた場合、その人物が受けている行為は当然のことであると共感しない方に切り替えます。

 

一方、情動的共感とは、感情的な共感であり、意図できない自動的な要素を含んでいます。そのため、情動的共感は、認知的共感のような意図的な切り替えが困難です

 

 

したがって、認知的共感は思考的な要素に対し、情動的共感は直観的な要素という大きな違いがあります。

 

また、梅田は認知的共感と情動的共感を更に詳しく行動的共感身体的共感主観的共感と分類しています。

 

行動的共感とは、ある人物の行動を見て自分にも同じような行動が起こるような共感のことを言います。人の真似をしてしまうような状態です。

 

身体的共感とは、ある人物の行動を見て自分の身体反応が誘発される共感のことを言います。もらい泣きなどはいい例です。

 

しかし、身体的反応が同じように見えても主観的は共感は必ずしも一致しているとは限りません。

 

主観的共感は、当事者が共感していると感じている場合の共感を言います。

 

主観や意識的な共感があっても身体反応は見られない場合もあり、社会や文化的な要素が関係することが多くあります。

 

これらの共感の分類はそれぞれ異なる神経ネットワークによって支えられて成り立っています

 

そしてこの異なる共感の神経ネットワークの中に前帯状皮質が密接に関与しているんです。

 

脳の報酬系と共感のネットワークの共通点

 

やる気に関わるネットワークの脳の報酬系と共感のネットワークの共通点はズバリ前帯状皮質が中継点として機能しているところです。

 

共感にかかわる神経ネットワーク


これまでに行われた脳機能画像研究や神経心理学研究によると、共感に深く神経ネットワークは以下の 4 つに分類できます。

 

1)エモーショナルネットワーク

感情の反応を表現するネットワークで、脳の扁桃体側坐核視床前頭葉眼窩部などを経由します。

 

2)セイリエンスネットワーク

ホメオスタシスから逸脱した際に反応し、その回復を促す役割を担います。帯状皮質および島皮質前部からなるネットワークです。

ホメオスタシス:生体の恒常性。例えば、深部体温が上昇したら発熱、発汗して表面に熱を放出し内臓の温度を下げるなど。

 

3)メンタライジングネットワーク

相手の心の状態を推測することで相手の行動を予測する機能を担います。

前頭前野内側部、帯状皮質近傍、側頭頭頂接合部、上側頭溝後部などからを経由するネットワークです。

 


4)ミラーニューロンネットワーク

相手を見て真似ることを実現する機能を担い、頭頂葉下部や運動前野腹側・前頭葉下部などを経由します。

 


前述の梅田の3分類をもとに考えると、

 

行動的共感には、主にメンタライジングやミラーニューロンのネットワークが関与し、身体的共感には、エモーショナルネットワークやセイリエンスネットワークが深く関与していると言われています。

 

更に主観的共感には、4 つのネットワークがすべて関わって共感の感情をつくりあげています。

 

ここで注目していただきたいのが、行動的共感に関わるメンタライジングネットワーク、身体的共感に関わるセイリエンスネットワーク両方の中継点となっているのが前帯状皮質であるので、3つ全ての共感に関するネットワークに関与していることになります。

 

すなわち、帯状皮質は共感に対してとても重要な機能を果たしているということになります。

 

脳の報酬系のネットワーク

 

一方やる気・行動意欲に関わる「脳の報酬系」は視床下部大脳辺縁系(側坐核、中隔や帯状皮質)などから成り立っており、それらの部位が刺激されることにより、人の行動が誘発されます。

 

脳の報酬系に関する記事を載せていますのでご参照ください。

 

rhkmrt.hatenablog.com

 

帯状皮質は、共感にもやる気・行動意欲にも深い関わりをもっていることになります。

 

共感が行動意欲を生むのもなんとなく頷けるような気がしてきました。

 

逆にこのあたりのネットワークが上手く機能していないと共感も出来ないし行動意欲も起きない、いわゆる「何もしたくない」という状態が起こりそうな感じがします。

 

少しずつでも良いので前帯状皮質を含むネットワークが普段から機能するように活性化しておきたいところです。

 

活性化させる方法

 

帯状皮質を活性化させるヒントを以前の記事で掲載しました。

 

ご紹介したものは、メンタルダウンして動けない状態の自分が少しでも楽に「これだったら出来そうかな」と考えたものです。

 

ゲームなどは楽しみながらのキッカケづくりにいいと思います。

 

rhkmrt.hatenablog.com

 

段階的にステップアップしていければ幸いです。

 

まとめ

 

共感には、認知的共感と情動的共感があり、更に詳しく行動的共感、身体的共感、主観的共感と分類される場合がある

 

帯状皮質が関わる神経ネットワークは、行動的共感、身体的共感、主観的共感の全てに深く関与しており、脳の報酬系のネットワークも含めて考えると、共感にもやる気・行動意欲にも関与していることになる

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

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