こころここにコロコロ

〜こころの知識と実体験を綺麗ごと抜きで照らし合わせてみる〜

天気とこころ

天気にこころが左右されているのか

みなんさんこんにちは♪ 逃げるが勝ちでも負けでもありません。

 

 

よくTwitterのなかでも

「今日は天気悪いから気分も悪い」、「落ちる」、「鬱々としている」という天候の変化による心身の不調の訴えを聞きます。

 

昔リウマチ患者さんに

「今関節が痛むから、明日は雨だな」と言われ、予言は的中していました。

 

なんでなんだろう?といつも感じていました。

 

私自身も今休養中で考える時間が出来たので余計に天候の変化によるこころの調子の良し悪しに気づくようになりました。

 

心身的なことって天気に左右されるのだろうか?

 

本当に天気の問題なんだろうか?

 

 

この感じの悪い、嫌な気分を整理したかったのでちょっと調べてみました。

 

最近よく耳にする気象病についてのことと、気象病がメンタルにどう関係しているのかについてみてみました。

 

 

気象病とメンタル

 

気象病とは、気圧、温度、湿度などの変化により引き起こされる心身の不調のことをいいます。

 

身体的な症状は頭痛が多く、その他首の痛み、めまい、耳鳴り、喘息、関節・神経痛があり、精神的な症状としてうつや不安症もあります。

 

 

HowarthとHoffmanが気分と天気の関係に対する多面的なアプローチを論文にまとめています。

 

要約すると

 

研究では、10 個の気分変数が 8 個の天候変数に関連していた。

データは、11 日間連続して 24 人の男性被験者から収集した。

気分変数は次のとおりで、集中力、協調性、不安、効力、攻撃性、抑うつ、眠気、懐疑心、コントロール、楽観主義。気象変数には、日照時間、降水量、気温、風向、風速、湿度、気圧の変化が含まれます。

結果、湿度、気温、日照時間は、気分に最も大きな影響を与えました。

湿度が高いと集中力のスコアが低下し、眠気の報告が増えました。気温が上昇すると、不安と懐疑の気分スコアが低下しました。

湿度は、相関分析において最も重要な予測因子でした。

 

参考文献:Howarth & Hoffman. (1984). A multidimensional approach to the relationship between mood and weather. British Journal of Psychology, 75

 

とあります。

 

この調査では湿度が気分と天候の関係を知る上で最も重要な予測因子と言っています。

 

湿度は気圧や気温が高くなると低くなり、逆に気圧や気温が低くなると湿度は高くなるため、気圧と気温も重要因子と言えることになります。

 

天気と心身の不調の関係を語るうえで、よく気圧変化について取り上げられます。そしてこの気圧を感受するセンサーが様々な不調に関わっているということが分かってきているようです。

 

気圧感受メカニズム

この気圧感受センサーは内耳(前庭器官)に存在する可能性が高いといわれているそうです。

 

気圧感受センサーが天候の変化、気圧の変化を感知しているのは理解できました。

 

でもなぜ同じ人間が同じ天気のもとで生活しているのに、心身の不調が出る人と出ない人が存在してしまうのだろうか? 

 

非常に疑問ですね!

 

この疑問を探るため、次の論文を参考に考えてみました。

 

佐藤純先生は、気象病とその中の代表的な症状の天気痛に関して

 

気象病有訴者の内耳前庭部が気圧変化に対してより敏感であるために天気の崩れに伴う微少な気圧の揺れがセンサーを刺激して,慢性痛などの症状を悪化させている可能性がある.

 

天気痛有訴者ではめまい感を得たタイミングで副交感神経が優位であることがわかった。

健康被験者では同じタイミングで交感神経が優位になっていたことから、内耳の電気刺激に対する自律神経反応が健康人と全く異なっていた。

 

気圧変化は内耳前庭部で受容されたのち、自律神経反応を引き起こすことがわかっている。

慢性痛が自律神経(特に交感神経)とリンクしていることはこれまでの多くの研究により明らかとなっていることから,気象病有訴者でみられたこのような自律神経反応の特異性が気象病メカニズムに重要なものである可能性がある。

 

引用文献:気象変化と痛み Spinal Surgery 29(2)153‒156,2015

 

要するに

気圧が変化すると感受センサーが働き、自律神経の反応を引き出し、その反応は天気痛有病者と健常者とでは異なっていたということになります

 

自律神経という観点からすると、精神疾患による自律神経系の乱れがある場合、気象病に影響する気圧感受センサーが敏感になるということも考えられるということになります。

 

天候の変化による心身の浮き沈み(不調)が強い人とさほどでもない人がいるということも頷けますね。

 

天候という「自然」を相手にするため対策を立てるにはなかなか手強いと思います。

 

何かあるだろうか?

 

 

対策

私自身これに関しては具体的な対策が功を奏すかはわからないところです。

 

しかし、

大事なのはこういうことなのかと理屈を少しでも自分で理解し、備えておくことであると思います。

 

以前の記事で対処不可能性と予測不可能性が負の感情を助長すると述べたことがありますが、得体のしれない、原因がわからないことにストレスを感じるので、理屈を知ることは不安を取り除く助けになるのではないかと考えられます。

 

対処不可能性と予測不可能性の過去の関連記事を載せておきますのでよろしければ参考にしてください。

rhkmrt.hatenablog.com

 

 

まとめ

 

天気が心身に及ぼす影響を考えた

 

気圧、温度、湿度などの変化により心身の不調が引き起こされ、特に気圧感受センサーの働きと関連している

 

精神疾患による自律神経系の乱れがある場合、気象病に影響する気圧感受センサーが敏感になるということも考えられる

 

「自然」を相手にするためなかなか手強いが、理屈を少しでも自分で理解し、備えておくことが大切

 

天気とこころの関係と心身に及ぼす影響を把握し少しでも不安を取り除いておきましょう

 

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