触れるのと触れられるの違いとは⁈
程よく豊かなこころを目指していきたいです♪
前回、手で触れることがこころにも良い影響を与えることについて紹介させていただきました。
心地よいと思うものを手で触ることにより、幸せホルモンであるオキシトシンの分泌が活性化され、こころに癒しを与えてくれる手助けをしてくれます。
オキシトシンは人と触れ合ったりコミュニケーションをとることで分泌されるホルモンと言われています。
人にやってもらうマッサージなどはとても癒やしの効果があるといわれていますね。
そもそも愛着ホルモンだから相手がいてナンボだと思っていたので自分から触れるってなんかいいことあるのかな?
と感じていましたが、自分で触れる「アクティブタッチ」でもオキシトシンの分泌は促されるという事実に辿り着きました。
当ブログでは、「メンタルダウンしてなかなか行動できない時にいかに簡単にこころに良い影響を与えて少しずつ行動に移すキッカケをつくるか」ということを考えていきたいため、人と会ってコミュニケーションを取ること自体難しい場合、自分で手軽にできるもののメリットを探して行こうと思います。
今回は自分で触れる「アクティブタッチ」と人に触ってもらう「パッシブタッチ」の違いを見ていきます。
アクティブタッチとパッシブタッチの違い
どちらのタッチも心地よい刺激が皮膚に加わるとカラダをリラックスさせ癒しの効果があると言われています。
アクティブタッチに関しては、「自分自身で腕をなでる・ハグする・胸に手を当てる」など、温かみを身体で体感することにより、オキシトシンの分泌を促し不安などを和らげるとされています。
一方で両方のタッチを比較した過去の報告では、
触られるパッシブタッチでよりオキシトシン分泌が高まる
皮膚感覚-皮膚と心の身体心理学 山口 創
Drescher, Gantt, & Whitehead (1980) は、タッチの効果について、人に触れてもらう場合と自分で触れる場合の心拍 への影響の違いについて検討した結果、前者の条件に おいてのみ心拍数が減少することを示している。
Drescher, V., Gantt, W. H., & Whitehead, W. E. (1980) Heart rate response to touch. Psychosomatic Medicine,42,559-565
つまりこの2つの報告からパッシブタッチのほうがよりオキシトシンの分泌を促し、心拍数を減少させる効果があると考えられます。
オキシトシンは心拍数を低下させ、緊張状態から解放する作用があることからも合致しています。
また、福井の報告によると
山口 (2010) は, セルフ・マッサージについて, 生理的な レベルでは他者に触れられたときと同じことが起こるであろうが、「他者とのつながり」 や 「他者から大切にされている」といった感覚が生まれないことをデメリットとして挙げている。
そうであるならば、セルフ・ タッピングでは、通常のタッピング・タッチと同程度 の心理的・身体的効果は得られるであろうが、対人関係における効果は得られないことが予測される。
引用文献:タッピング・タッチの実施においてケアする側にも効果があるか? 福井義一
アクティブタッチはパッシブタッチと身体的効果は同等に得られるが、対人との関わりでの快感情からくる癒し効果は得られないということです。
リラックスや癒し効果という観点からすると心地よい刺激のパッシブタッチのほうが効果があるのかもしれません。
では、自分で自分のカラダに触れたり、心地よい刺激を与えてくれるものに触ったりするアクティブタッチはパッシブタッチとは違った癒し以外のこころにいい効果をもたらすものがあるのでしょうか⁈
ありました!
やる気や意欲を引き出すキッカケづくりに関係していました!
アクティブタッチの効用
Leighton B Hinkleyらは、磁気共鳴機能画像法(fMRI)を用いてアクティブタッチとパッシブタッチを実施した際の脳の活動部位の比較を行いました。
その結果、アクティブタッチ実施時は脳の前帯状皮質が活性化していることが判明しました(パッシブタッチ実施時は活動はみられていない)。
参考文献:Sensorimotor integration in S2, PV, and parietal rostroventral areas of the human sylvian fissure
ここで「触れること」と「触れられる」ことの明らかな反応の違いが出てきました。
この前帯状皮質、実はやる気を引き出す「脳の報酬系」に関与しているんです!
脳の報酬系に関する過去の記事を掲載いたしますのでよろしければご参照ください。
前部帯状皮質は脳内で前頭葉や大脳辺縁系など様々な部位を繋ぐ神経回路を有しており、報酬期待の大きさの情報処理を行なっている部位です。
前帯状皮質を含む報酬系回路は情動や動機づけに関連した刺激に反応し、運動を開始するときに重要であるといわれています。
よって、アクティブタッチはオキシトシン分泌促進による癒し効果と前帯状皮質の活性化によるやる気、行動意欲への働きかけが期待できるということになります。
自分で家で手軽にできるので少しでもこころの癒しとやる気のキッカケとなれば幸いです。
まとめ
自分で触れる「アクティブタッチ」と人に触ってもらう「パッシブタッチ」は両方ともオキシトシン分泌による癒し効果が期待できる
対人との関わりでの快感情からくるものも含めるとリラックスや癒しという観点からすると心地よい刺激のパッシブタッチのほうが効果があるのかもしれない
アクティブタッチは脳の報酬系に関与する前帯状皮質が活性化するため、やる気や行動意欲への働きかけと癒し効果の両方が期待できる
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